小学生・女子の相談事例です。
新学年になり環境が変わったことがストレスになったのでしょうか。
ゴールデンウイーク明けから、朝になるとお腹が痛くなり、学校に行けない日が続くようになったそうです。
不登校になり2週間の時点で、相談にいらっしゃいました。
本人には学校に行きたい気持ちはあるのです。
ですが、学校のことを考えると体が鉛のように重くなり、みぞおちのあたりがキューっと痛くなるそうです。
排便すれば楽になるかと思いトイレに行ってみても、便は出ず。
ただ痛みが消えるのを待つしかなくて、痛みが消えたころには学校へ行く時間はすでに過ぎてしまっているとのこと。
一方で、お子様の状態を話してくださるお母様も、不安とストレスでいっぱいなのが伝わってきました。
中医学に基づいて状態を診ると、母子ともに「肝鬱血虚(かんうつけっきょ)と肝脾不和(かんぴふわ)」がみられました。
そのため、2人で同じ漢方を飲んでいただきました。
お母様は「顆粒」、お子様は「錠剤」です。
漢方を飲み始めて数日後。
お子様の腹痛がほとんどなくなりました。
イライラや落ち込みも少なくなり、体調が整ってきた頃、学校にも朝から行くことができるようになりました。
またお母様も、漢方を飲んでからイライラが減り、子どもにガミガミ言うことが減ったそうです。
お母様が穏やかになったことが、お子様にダイレクトに伝わり、腹痛も良くなったのだなと思います。
実は、子どもに何か問題が起きているとき、母と子で同じ状態になっていることは多くあります。
今回も相談のきっかけはお子様の問題でしたが、実際にお会いすると、お母様の心や体からもSOSが出ている状態。
そんなときは、「母子同薬」といって、親子で同じ漢方を服用すると、相乗効果で解決がとても早くなることがあるのです。
母が不安を抱えていると、子どもも不安を感じやすくなります。
逆に、母が「何とかなるさ~」と穏やかに過ごしていると、子どもも穏やかになっていくものです。
母と子は本当に繋がっているんだなと実感します。
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簑島 幸代(みのしま さちよ)
・薬剤師
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